ケトン体ってどれぐらいまで増えても大丈夫なの?

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糖尿病性ケトアシドーシス時の血中ケトン体は?

当ブログの他の記事を読んでくださったみなさんは「なんだ、ケトン体は別に危険なヤツじゃないのか」と安心されたかもしれません。

しかしそうは言っても、体内で際限なくケトン体が増えると危険ではないのか…?と心配になってしまうのもまた無理のないことです。

よっしーが糖尿病性ケトアシドーシスで入院した時のデータが残っています。あの時は「総ケトン体10659μmol/L、アセト酢酸2759μmol/L、βーヒドロキシ酪酸7900μmol/L」でした。

※なお、アセトンは呼気に混じって出て行ってしまいますので、総ケトン体には含まれていません。

 

3種類のケトン体

 

インスリン作用不足の状態、つまり糖尿病性ケトアシドーシスの状態ではアセト酢酸βーヒドロキシ酪酸の比が小さい数字になるそうです。そしてインスリンで治療を開始するとアセト酢酸の割合が増えていきます

よっしーが糖尿病性ケトアシドーシスで入院した時はアセト酢酸2759μmol/L、βーヒドロキシ酪酸7900μmol/Lでした。

これは救急外来を受診してから4時間半ほど経過したとき(インスリン入りの点滴開始後)のデータなので、入院時にはさらにβ-ヒドロキシ酪酸が多かったかもしれません。

この2つの比を求めると、2590/7900≒0.33となります。この数字は0.7以上が基準値とされていますので、アセト酢酸に対してかなりβ-ヒドロキシ酪酸が増えていることになりますね。

 

にゃご
にゃご

糖尿病性ケトアシドーシスでは、かなりケトン体が増えているんだね。

よっしー
よっしー

そうね。だからケトン体があまりにも増えるのは危険だと思う方が多いのはわかるわ。

糖質制限をしている人のケトン体の数値はどこまで上がる?

ケトスティックなどの尿検査で検出されるケトン体は、主にアセト酢酸です。家庭で血中ケトン体を測定できる測定器(フリースタイルプレシジョンネオ)が測定するのはβーヒドロキシ酪酸です。

糖質制限している自分の血中総ケトン体はどれぐらいだろうと興味があるのですが、自宅ではなかなか調べることはできませんね。

何度かβ-ヒドロキシ酪酸を測定しましたが、だいたい普段は2000~2500μmol/Lぐらい、プチ断食をすると6300μmol/Lになったこともありましたが体調は良好でした。

ケトアシドーシスの時と普段健康な時ではおそらくアセト酢酸とβーヒドロキシ酪酸の比は異なるのでしょうけど、βーヒドロキシ酪酸が6300μmol/Lになっても全然何ともないというのは驚きでしょう?8000μmol/Lまで上がっても平気と言う方もいらっしゃいました。

 



 

海外の文献で「ケトアシドーシスの血中総ケトン体は15000~25000μmol/L」と書いてあるものもありましたが、『糖尿病診療ガイドライン2016』によればβ-ヒドロキシ酪酸3800μmol/L以上とありました。

おそらく、インスリンがきちんと作用している状態であれば、個人差はありますが血中総ケトン体は10000μmol/Lぐらいまで上がってもそれだけでは特に何ともないのでしょう。呼吸によりpHが調整されるので血液が酸性側に傾くこともないです。

逆にそれ以下の数値であっても、インスリンが作用していない状態では(軽度の)ケトアシドーシスという事になるのかなと思います。

インスリンが作用している状態では、ストイックな糖質制限を行っても血中ケトン体の上昇には限界があるのでしょうね。

 

ケトン体が増加しないアシドーシスもある!

じつは、約50%の確率で死亡してしまう大変恐ろしい「乳酸アシドーシス」という病気があります。これは何らかの原因により体内に「乳酸」が蓄積して血液が酸性側に傾くものです。

アルコール中毒の方やメトホルミンという糖尿病薬を飲んでいる糖尿病患者さん、肝不全・腎不全・悪性腫瘍などの病気の患者さんに起こりやすいのだそうです。

糖尿病性ケトアシドーシスとは違い、乳酸アシドーシスでは尿ケトンも陰性で血糖値もさほど高くはない(200mg/dL程度)ことが多いそう。

傾眠状態(うとうとしているような状態)から昏睡に至ったり、嘔吐や腹痛などの消化器症状が出たり、過呼吸などの自覚症状が出ます。

 

 

糖尿病患者さんは特に注意が必要で、最近流行のSGLT2阻害薬(尿に糖を出してしまう薬)では水分を適切に補給しないと脱水が起こりやすく、メトホルミンを飲みながら脱水になると乳酸アシドーシスが起こりやすくなります💦

また高齢の2型糖尿病患者さんに多い「高浸透圧非ケトン性昏睡」は糖尿病性ケトアシドーシスと症状が似ていますが、ケトン体は陰性~わずかな増加にとどまります。

血糖値が600~1500mg/dLにもなり激しい脱水になりますので、早く治療しないととても危険なものです。糖尿病患者さんは気を付けなければいけませんね。

 

にゃご
にゃご

糖質制限をしていてケトン体が増加しても、他に症状がなければ大丈夫という事だな。

よっしー
よっしー

逆にケトン体が出ていなくても危険な状態になっていることはあるので、特に糖尿病患者さんは早めに受診してね!