糖尿病患者のケトン体が増えるとヤバいの?

糖尿病専門医
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糖尿病患者のケトン体が増えるとヤバい?

血液中のケトン体が増えると何となくヤバいんじゃないかと思っている方は多いでしょう。糖質制限をしていたりMCTオイル、ココナッツオイルを摂取して血中ケトン体が増えることは全く問題ありません。

ただし心配なのは「糖質制限をせず普通に主食を食べているにも関わらずケトン体が増える場合」です。この場合は何らかの病気の可能性があります。

体内でケトン体が増えるということは「食事からの糖質摂取量が不足している場合」または「糖質を摂取しているのにそれをうまく利用できていない状態」のどちらかが考えられます。

 

 

糖質制限していないのにケトン体が増える場合、胃腸にくるカゼなどで十分に食事を摂れなかったりすることが原因になっている場合もあります。

そして何らかの内分泌系の病気(甲状腺の異常など)によって血中ケトン体が増加することもあります。

糖尿病患者の場合、もっとも心配しなければいけないのが「糖尿病性ケトアシドーシス」です。よっしーは2型糖尿病患者ですが4年半前にこれを経験して16日間入院してひどい目に遭いました💦

 

にゃご
にゃご

あの時は本当に大変だったよな。

よっしー
よっしー

16日間も入院するって本当に大変なことだったのよ!小学生だった息子たちを家に残してきて不安でたまらなかったわ💦

糖質制限していないのにケトン体が増えるとヤバいかもしれない

糖尿病患者が糖質制限もしていないのに血中ケトン体がどんどん増える場合「糖尿病性ケトアシドーシス」の可能性があります。

これは体内で血糖値を下げるホルモン「インスリン」がほとんど作用しない場合に起こり、自分の体内でインスリンが作られていない1型糖尿病患者さんがインスリンを打ち忘れた時などに起きます。

しかしそれだけではなく、2型糖尿病患者さんが清涼飲料水を飲み過ぎるなどして高血糖→のどが渇く→また清涼飲料水を飲む→高血糖…の悪循環に陥り、とうとうインスリンを分泌する細胞が疲れ果てて起こることもあります(=ペットボトル症候群)。

 



 

血糖をエネルギーとして使う時にもインスリンの助けが要りますので、この状態ではどんなに血糖がたくさんあっても体はそれをエネルギーとして使うことができません💦

すぐに入院して適切な治療を受ければ多くの場合回復します。2型糖尿病のよっしーも、弱っていたすい臓の細胞の働きがある程度回復したと言われました。

ただし高齢者や小さなお子さんの場合、生命に危険が及ぶこともありますので一刻も早い入院と治療が必要です。

 

ケトン体が増えなくても高血糖は危険です!

1型糖尿病患者さんに多い「糖尿病性ケトアシドーシス」では血中ケトン体がかなり増加しますが、高齢の2型糖尿病患者さんに多いのが「非ケトン性高浸透圧性昏睡」です。

「非ケトン性高浸透圧性昏睡」では血中ケトン体は陰性か、増えても軽度の増加にとどまるそうです。しかし血糖値は600~1500mg/dLと非常に高血糖になります

自覚症状としてはのどの渇き、だるい、吐き気、嘔吐、腹痛など糖尿病性ケトアシドーシスと似たような症状が出て悪化すると昏睡状態に陥ります💦

高齢者の方はのどの渇きを感じにくい場合があり、昏睡状態になると脱水状態で脳梗塞や心筋梗塞の発症率がぐっと上がるので家族も気を付けてあげましょう。

 

 

糖尿病患者の場合、糖質制限をしていないのに血中ケトン体が激増したり、ケトン体は増えないけど異常な高血糖になることのどちらも非常に危険です。

よっしーはお正月明けの早朝にただならぬ体調の悪化を感じ「このままでは死んでしまう!」と思って救急外来を受診したらそのまま緊急入院になりました

特に吐き気や腹痛、嘔吐などの症状がある場合は一刻も早く受診してください。場合によっては生命にかかわります。緊急事態には深夜の救急の受診を躊躇してはいけません。

 

にゃご
にゃご

ケトン体や血糖値を測定する道具を自宅に用意しておけば安心だね。

よっしー
よっしー

そうね、体調が悪い時に自宅でいち早くチェックできるからね。