ケトン体が出過ぎるとケトアシドーシスにならないの?

ケトン体は危険だと言い張る男女
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糖尿病性ケトアシドーシスはとても危険です!

下の漫画は、よっしーのメインブログのひとつ「あなたの血糖値、大丈夫?」の中で「糖尿病性ケトアシドーシス」の解説の記事に載せたものです。

素人なので絵が下手なのはご勘弁いただくとして、糖尿病の方や糖尿病を予防したい方たちに読んでいただけると幸いです。私みたいな目に遭う人を減らしたいので💦

この時は家族の風邪がうつって寝込んだのがキッカケでどんどん体調が悪化し、最終的には何も食べないのに吐き気がおさまらず、腹痛と異常な倦怠感と呼吸まで苦しくなって救急外来へ行きました。

すると、前日の夜から何も食べていないのに「血糖値が475もあるからこのまま入院して」と言われて頭が真っ白になってしまいました。

 

糖尿病性ケトアシドーシスの漫画

 

じつは、血液中のブドウ糖(血糖)を体がエネルギーとして利用するためには、血糖値を下げるホルモンとして有名な「インスリン」が必要なのです。

何らかの理由で体内でインスリンがほぼ作用しない状態になると、血糖があふれているのに体はそれをエネルギーとして利用できなくなります。

肝臓は「糖新生」によってどんどんブドウ糖を作って血液中に放り出しますが、それをエネルギーとして使えません。何とかこの危機的な状況を脱しようと体はブドウ糖の代わりに「ケトン体」を大量に作ってエネルギーにしようとします。

このことが「血液中にケトン体が増えるとケトアシドーシスという危険な状態に陥るのではないか?」と多くの方を不安にさせてしまっているようですね。

 

まじめん
まじめん

ケトン体は危険!と思っている方は未だに多いですね、お医者さんの中にもいらっしゃいますね。

よっしー
よっしー

ひと昔前までは多くの方がそう思っていたようね。

糖尿病性ケトアシドーシスと糖質制限している時の違い

時に死亡することさえある危険な「糖尿病性ケトアシドーシス」と糖質制限している時に血中ケトン体が増える「生理的ケトーシス」はどこが違うのでしょうか?

ざっくり言うと「体内でインスリンがある程度きちんと作用しているかどうか」が違います。よっしーのようにインスリンの分泌能力が多少落ちている2型糖尿病患者でも問題はありません。

健康な状態では、インスリンが働いているので体はきちんと血糖をエネルギーとして使えますし、肝臓が糖を作り出す働き(糖新生)も制御されています。※糖尿病患者では多少、必要以上に活発になっていますが通常はそこまで大きな問題にはなりません

糖質制限をすると糖質に代わるエネルギーとして脂肪酸や一部のアミノ酸から「ケトン体」が作られます。

 



 

ケトン体は酸性の性質を持ちますが、血中ケトン体が増えたからといって血液が酸性になることはありません。健康な状態では呼吸によってうまく調節がされているからです。

「〇〇を食べると血液が酸性になるから~」などと言う方がいますが、とんでもない間違いです。ケトアシドーシスは血液が酸性寄りに傾きますが、それだけで大変な生命の危機です!そう簡単に血液が酸性やアルカリ性に傾いてはすぐに死んでしまいます💦

健康な方が糖質制限をしてケトーシスになっても特に問題はありません。よっしーは1日断食をした時に最高で血中の3-ヒドロキシ酪酸(ケトン体の一つ、0~129μmol/L)が基準値とされる)が6000μmol/Lを超えたこともありますよ。

3-ヒドロキシ酪酸が8000μmol/Lにまで上がっても全然問題ないという女性(糖尿病ではない健康な方)もいらっしゃいました。単純にケトン体が増えるから危険、ということではないのです。

 

インスリン注射をしている糖尿病の方は気を付けて!

糖尿病患者でも、ある程度インスリンがきちんと分泌されていて血糖値が安定しているよっしーのような患者は問題ありません。この記事を書いている時点で糖質制限歴は4年半になります。

ただし1型糖尿病の方など、自分のインスリンがほとんど分泌されておらずインスリン注射をなさっている方は「注射の打ち忘れ」にはくれぐれもご注意を!

この場合、体内でインスリンが作用しない状態になるので糖尿病性ケトアシドーシスになることがあります。

「私は糖質制限をしているから」と思っていても、じつはインスリンを打ち忘れてケトアシドーシスになっているかもしれないので💦

その他、風邪やケガなどでストレスがかかる時などもケトアシドーシスになりやすいので、血中ケトン体だけではなく体調の変化などに気を付けて「何かおかしいな」と思ったらすぐに受診してくださいね。

 

まじめん
まじめん

ケトン体そのものが危険なわけではないのですね。

よっしー
よっしー

危機的な状況になるとケトン体が増える場合もある、ということね。