ケトン食で血液は酸性に傾く?
ケトン食(ストイックな糖質制限食)はダイエットや難治性のてんかんの治療にはまあ良いとして、健康な方には良くないのではないか…と思われがちです。
アスリートを対象としてケトン食(炭水化物からのエネルギー比率が5%以下のもの)が体組成・身体的健康・心理的健康にどのような影響を与えるのか調査した研究がいくつかあります。
その中で「21日間のケトン食介入からは、血中pH、重炭酸塩濃度、乳酸レベルに有意差は観察されず、ケトン食が酸塩基平衡に影響を及ぼさないことが示唆された」と報告されています。
一般人よりハードに運動するアスリートに炭水化物エネルギー比率5%以下(かなり高脂質と思われます)の食事を3週間継続させても、別に血液は酸性に偏ることもなく、乳酸も普通食と比較して特に増えることはなかったのです。
体内で乳酸が増えすぎると「乳酸アシドーシス」を起こし、死亡することもあります。また私が以前経験した「糖尿病性ケトアシドーシス」も血液が酸性に傾き、放置すれば昏睡状態となる危険な状態です。
何となくイメージから「ケトン体は危険!だからケトン体を産生させるケトン食も危険に決まってる!!」と思いがちですが…
あら、そうだったのですね。安心しました。
もし危険ならとっくに死亡しているわ、私なんて💦
アシドーシスが起こる原因は?
血液のpH(酸性、アルカリ性どちらに寄っているかを表す)は常に狭い範囲に調整されています。通常よりも血液が酸性よりになった状態をアシドーシス、ケトン体が増加した状態をケトーシスと呼びます。
「乳酸アシドーシス」「糖尿病性ケトアシドーシス」はともに危険な状態で生命の危険もあります。「アルコール性ケトアシドーシス」もあります。これらが起こる原因は何なのでしょう?
大量のアルコールやアスピリン(解熱鎮痛剤)などの特定の薬物を摂取した時に体内で酸の量が増えて発症することがあります。高齢者や腎機能が低下している患者が糖尿病薬メトホルミンで発症することもあります。
また血液が大量に失われたり心臓の機能が低下してショック状態になったり体内でインスリンがほとんど作用しない状態になると、体内で酸が大量に作られてアシドーシスが起こります。
そして肺の病気などが原因で肺から十分に二酸化炭素が放出されない場合、何らかの病気や薬物が原因で呼吸に異常が生じたときにもアシドーシスが起こるそうです。
以上のように、アシドーシスと糖質制限、ケトン食には関係がありません。「肉を食べると血液が酸性になる!」なんてひと昔前までは言われてましたけど、「食べ物によって簡単にアシドーシスになるのなら命がいくつあっても足りないよ、ケトアシドーシスを経験したこともないくせに適当なことを言うな!」と思います💦
1型糖尿病患者さんは気を付けたほうがいいかもしれない
1型糖尿病患者さんで糖質制限を開始してインスリン注射量をかなり減らしてケトアシドーシスが起こった例があるそうです。
それは糖質制限そのものが原因ではなく「糖質制限を過信して、インスリン注射量を減らしすぎてしまったことによるインスリン作用不足」が原因ですよね。
糖尿病性ケトアシドーシスは体内でインスリンがほとんど作用しないことによって起こります。1型糖尿病患者さんがインスリンを打ち忘れたときに主に起こるそうです。
アスリートでさえ、かなりストイックな糖質制限食であるケトン食を3週間継続しても体内で乳酸は増加せず、血液が酸性に傾くこともなかったそうですからね。
インスリン分泌がかなり不足している方の場合、食事の糖質をゼロに近づけたとしても必ずインスリン注射は必要です。特に食事とは無関係に24時間分泌されているほうのインスリンは絶対に必要です。自己判断で「糖質制限(ケトン食)にするから」と減らしすぎるのは危険です。
インスリンではなくケトン食が原因でケトアシドーシスになるのなら、今頃は糖質制限している人たちはケトアシドーシスだらけですってば💦経験者はわかると思いますが、あれは死ぬんじゃないかと思うぐらい苦しいですよ!私は16日間入院しました。
ただし多くはありませんが、生まれつきケトン体をうまく利用することが出来なくてケトアシドーシスになりやすい病気の方もいらっしゃいます。その場合は主治医の指示に従ってください。
食べ物によって簡単にアシドーシスになるわけがないですよね。
れより薬やお酒の飲みすぎに気を付けたほうがいいと思うわ。