世界の糖質制限事情
もしかしたらあなたは「本当にケトン体だの糖質制限がすごいのなら、テレビの健康番組でもっと取り上げているはずだし病院でも治療法として勧めているはず!」と思われたことがあるかもしれません。
じつは、アメリカ糖尿病学会は段階的に糖質制限を容認してきて、とうとう2019年に糖質制限を大きく推進する内容を発表しました。
カナダ糖尿病学会も、まだ完全ではありませんがアメリカの後を追うように糖質制限を容認する方向に動き始めました。
イギリス糖尿病学会のサイトにも「糖質制限で2型糖尿病患者の一部が2年後に糖尿病が寛解した」として糖質制限を食事療法の選択肢の一つとして認めているようですね。
すべての国というわけではありませんが、糖質制限の効果が徐々に認められ、糖尿病患者の食事療法の選択肢として認められるようになってきています。
たとえばアメリカでは最初は「糖質制限はダメ」と言われていましたが「肥満の人が短期間行うのならよい」となり、だんだん「続けてもいい期間」が伸びました。
アメリカでは、糖質制限を人々が長期間継続しても大丈夫かどうかを時間をかけて慎重に観察してきたわけです。もし糖質制限が危険であれば却下されているはずですね。
では、日本ではなぜいまだに糖質制限が認められていないのでしょうか。まさか日本人だけが体質がまったく異なるというわけでもないでしょうに…
![にゃご](https://yosshie2.com/wp-content/uploads/2019/08/nyago.png)
本当に危険なものであればアメリカ糖尿病学会が認めるわけがないニャア。
![よっしー](https://yosshie2.com/wp-content/uploads/2019/08/yosshie.png)
そうでしょ?日本では何か認めたらいけない理由があるのかしら?
各種団体からの反対も根強い!
あまり具体的にブログに書くことはできないのですが、糖質制限に反対しなければいけない立場にある団体はたくさんあります。
糖質制限とは無関係の別の健康に関するある運動も、いくつかの団体に反対されてなかなか簡単には進まないということをある専門家の方から教えていただきました。
ちょっと「日本で糖質制限やケトン体ダイエットが流行することで、誰がトクをして誰がソンをするのだろう?」ということを考えてみてください。
糖質制限に関わる食品を販売している企業もありますが、まだまだ数年ぐらい前から少しずつ広まったばかりでそれほど大規模ではないでしょう。
反対に「ソンをする団体」は山ほどあり、その中には非常に力を持った団体もあります。これ以上はみなさんのご想像にお任せしますが、このようなつながり・しがらみが「日本で糖質制限が難しいこと」と無関係ではないようなのです。
また「糖質制限が正しいのならなぜそれを証明するための研究が十分に行われていないの?」と疑問に思われるかもしれませんね。
日本では医学研究を行うための資金は、国などの公的資金と民間資金がほぼ同額です。つまり医学研究のためのお金の半分は民間企業が出しているのです。
アメリカでは公的資金の割合が多いのに対して、日本では民間企業から出してもらうお金に頼らないとロクに研究ができない…これがどういうことか分かりますか?
もちろん、研究資金を出してもらうからと言って、その企業に都合の良いデータを捏造することは絶対に許されません。当たり前ですよね。
でも…最初からその企業が喜ばないorその企業にとって不利になりそうな研究をわざわざやれるでしょうか?あなたが社長なら、お金を出したいと思いますか?
糖質制限やケトン体の効果を「人間」で証明するのは大変かも…
ネズミさん(マウスやラット)を使って糖質制限やケトン体についての実験を行うのはそれほど難しいことではありません。
実験動物は食事を管理することが容易ですし、また寿命が短いので結論が出るまでにそれほど長い時間がかからないからです。
しかし研究資金をなんとかして得たとして、同じことを人間でやろうとするとどうでしょう?人間をどこかに長期間閉じ込めて完全に食事を管理してその影響を調べることは困難ですよね。
また「自己申告(アンケート)」それもたった数回のアンケートで「〇〇は体に良い、悪い」などと結論付けるのは危険かもしれません。アンケートに本当のことを正しく記入できているかも怪しいですし、毎日同じものを食べているわけでもないですし。
マウスはもともと草食動物です。いっぽう人間は雑食動物です。「人間にはライオンのようなキバがないじゃないか」とよく言われますが、道具を使うように進化してきた人間はフォークやナイフでステーキを食べることができますよね。
日本糖尿病学会にも「アメリカのように糖質制限を選択肢として認めるべき」と考えている先生はいらっしゃいますが、なぜか頑として反対する人たちも多いのでいまだに日本では認められていません。
いっぽう、難治性てんかんの治療用のケトン食(かなり厳しい糖質制限で高脂肪食、血中ケトン体濃度をかなり高める食事)は2016年から日本でも保険適用になっているのですが…ケトン食よりも穏やかな制限食を認められない理由は何でしょうね?
「本当に良いものならすぐに病院で治療法として取り入れるはずでしょ」と単純に考えてはいけません。さまざまな事情でそう簡単にはいかないことだってあるんです。
![にゃご](https://yosshie2.com/wp-content/uploads/2019/08/smilenyago-1.png)
少なくともネズミの実験よりは、自分でやってみて慎重に結論を出す方がいいと思うんだニャー。
![よっしー](https://yosshie2.com/wp-content/uploads/2019/08/smileyosshie-1.png)
だって私たちはネズミじゃないものね!