糖質制限は危険??
糖質制限すると何か良くないことが起こるのではないかと不安でたまらない方たちは「糖質制限するとケトン体が増えすぎてケトアシドーシスになるのではないか」「糖質制限すると筋肉が減ってガリガリになるのではないか」と考えたりなさるようです。
安心してください。私は5年以上前からずっと続けていますが1度もケトアシドーシスになっていませんし筋肉も少しも減ってないですから。
私は5年4か月ほど前に「糖尿病性ケトアシドーシス」になりましたけど、その前に糖質制限なんて全くしていませんでした。玄米を食べ、毎日2回ぐらい果物を食べていましたよ。玄米食はその15年ぐらい前からずっとやっていました。
「糖尿病性ケトアシドーシス」では、何らかの原因により血糖値を下げるホルモンの「インスリン」が体内で作用しないために体が血糖をエネルギーとして利用できなくなります。
糖質を食べなくて血糖が足りないのではなく、血糖は山ほどあるにもかかわらず「使えない」のです。血糖を細胞へ取り込む際にもインスリンが必要ですから。
だから1型糖尿病の方で自分のインスリン分泌がない方がうっかりインスリン注射を忘れたりするとたいへん危険です。
2型糖尿病でもインスリンの自己分泌が枯渇に近い方が「糖質制限するから」と言ってそれまで打っていたインスリン注射を全部やめたりするとケトアシドーシスを起こす可能性があるのでくれぐれもご注意ください。
これは「インスリンの作用不足」の問題であって「糖質制限」の問題ではないということを忘れてはいけませんよね。ただし糖質制限が向かない病気の方は主治医の指示を必ずお守りください。
インスリンが働かないと、糖質ばかり食べても体が血糖をエネルギーとして使えないんだね。
そうよ、それで仕方ないから代わりに脂質をエネルギーにしようとするんだけど、めちゃくちゃな状態になっているから…
「絶食」を続けると筋肉が減るかもしれない
以前「もともと痩せてるのに糖質制限したらますます痩せてしまった!」という方を見かけましたが、食事内容を見たら鍋とかサラダとか脂質の少ないヘルシーっぽいメニューでした。
従来通りの「ヘルシー志向」から抜けきれないと、ついつい野菜ばかり食べて肉や魚を十分に食べられていない…ということになりがちなのかもしれませんね。
糖質制限中はアミノ酸の一部が「糖新生(必要な糖を糖以外の材料から肝臓で作る)」に使われるので、タンパク質は多めに摂取しなければいけません。
また、もともと痩せ気味の方が糖質制限しながら脂質まで制限してしまうと、そりゃエネルギーとして使えるものは不足しますよね。この状態でいくら筋トレを頑張っても筋肉は増えませんよ~っ!
「絶食」は何も食べない状態です。この状態で1~2日なら水さえあれば多くの方はどうってことはありませんが(実践するときは体調に細心の注意を!)長期間になると影響が出ます。
糖新生の材料が体脂肪「だけ」なら痩せたい方には都合がいいんですけど、なかなかそういうわけにもいきません。
タンパク質を十分に食べない時、ある程度は体内で古いアミノ酸を再利用できますけど、やはり限界というものがあるようです。
必要量(おそらく結構個人差がある)のタンパク質や脂質をきちんと摂取できていないと「糖質制限で筋肉が減った!」ということになると思われます。
自分の体が求める量の肉や魚を食べましょう
糖質制限中は、体が脂肪やアミノ酸をエネルギーに変えてどんどん使っていきます。完全に絶食して外部からその材料の供給が経たれてしまうと、いずれは筋肉を壊して使うしかなくなります。
正しい糖質制限で自分に合った量の脂肪やアミノ酸が食事から供給されていればこのような事態にはなりません。多くの人に憎まれがちな脂肪でさえ、体内で合成できない「必須脂肪酸」を意識して摂らなければいけません。
ただし糖尿病患者さんの場合にはタンパク質でも人によってはかなりインスリンが分泌されますので、場合によっては太ることもあります。
糖質とタンパク質を同時に大量摂取すると最もインスリンが分泌されますが、このとき脂質もたっぷり摂取すると非常に効率よく体脂肪が増えてしまいます…カツカレーとかね!
糖新生の材料がいっさい入ってこない「絶食」と糖新生の材料をきちんと食べる「糖質制限」は異なるものだと言うことを忘れないでおきましょう。
オレは猫なので糖新生は得意なんだ!
猫は大量の糖質を食べるように設計されていないものね。人間も、現代人の平均的食生活では糖質の摂りすぎかもよ!?