糖質制限にもたくさんの「流派」があります
ケトン体をどんどん作ってそれをエネルギーとして使っていくためには、MCTオイルやココナッツオイルなどの中鎖脂肪酸の利用も効果的ですが基本的には「糖質制限」が重要です。
食事から摂取する糖質が不足した状態になれば、体は「アミノ酸やグリセロールなどから糖を作る」または「脂肪酸や一部のアミノ酸からケトン体を作る」ことでエネルギーを得ます。
ただ、糖質制限系の食事方法といっても「ケトジェニックダイエット」「スーパー糖質制限」「スタンダード糖質制限」「ロカボ」「断糖」などいろいろな流派(?)があるので迷ってしまいますね。
どの方法にもそれぞれ良い点があり、どれがいちばん良いとか悪いというものではなく目的や好み、ライフスタイルによって選択すればいいと思います。
当サイトは「ケトン体」がテーマですので、ケトン体とも絡めて各食事方法について簡単に違いを説明しておこうと思います。
よっしーは1食あたりの糖質摂取量が10gぐらいなら問題なくケトーシス状態(ケトン体が増加している状態)が続きますが、個人差があるようです。
ケトン体が増えやすい人と増えにくい人がいるんだろう?
それについては別の記事にするわね。
実行しやすさが魅力!ゆる糖質制限系
・プチ糖質制限…江部康二医師の勧める糖質制限の中ではもっとも緩いもので、1日3食のうち1食(夕食が効果的)だけ主食を抜いて糖質20gまでに抑えます。
糖質制限の練習みたいなものですが、簡単に始められるといっても効果も薄いので、すでに糖尿病または境界型糖尿病の方にはお勧めできないそうです。
・ロカボ…食・楽・健康協会によると、ローカーボ(lowcarbo)とは一線を画すために「ロカボ」と命名されたようです。1食あたりの糖質摂取量は20~40gまで、おやつの糖質は10gまでに抑えて1日の糖質摂取量の合計は70~130gに抑えるそうです。
このぐらい緩い糖質制限だと血中ケトン体はほとんど増加せず、また糖尿病患者の場合は食後血糖値がかなり上昇してしまうと思われます。軽度の2型糖尿病および予備軍の方、軽いダイエットには良いかもしれません。
・スタンダード糖質制限…同じく江部康二医師の推奨する糖質制限の方法で、1日3食のうち2食を糖質20gまでに抑えます。会社員の方は昼食を主食ありにすると実践しやすいようです。
できれば1日1回の主食を玄米など未精製穀物にするとさらに良いですが、すでに糖尿病の場合は玄米でもかなり食後血糖値が上がる場合があるので確認したほうが良いですね。
・ケトジェニックダイエット…斎藤糧三医師が監修なさっている日本ファンクショナルダイエット協会のルールでは、1食あたりの糖質摂取量は20gまで(1日合計60gまで)です。
ただし「100gあたりの糖質量が10g未満の食材は1食あたりの糖質量にカウントしなくてもよい」というオリジナルルールがあるので、食材選びによってはかなり緩やかな糖質制限になるかもしれません。
ケトジェニックダイエットでは1日に摂るべきタンパク質量を体重(kg)×1.2~1.6gに制限します。体重60kgなら72~96gのタンパク質を摂取することになります。
オメガ3脂肪酸や食物繊維、ミネラルをたっぷり摂取します。ダイエットの目標を達成したら1食あたりの摂取糖質量を20~40gまで増やして維持するように勧めています。
糖尿病患者にぴったり!しっかり糖質制限系
・スーパー糖質制限…江部康二医師が糖尿病患者やしっかりダイエット効果を得たい方たちに勧める糖質制限で、1食あたりの糖質を20gまで(糖尿病患者はできれば10g未満が良いとおっしゃいました)に制限します。
江部先生によると「理論上、糖質の摂取量はゼロでも構わないが実践しやすさを考えて20gにしている。また学校給食があるので実際には難しいが、子供も実践してかまわない」そうです。
なお、すでに糖尿病でインスリン注射や飲み薬を使用している場合は必ず主治医に相談してから行ってください。これは他のどの糖質制限に関しても同じです💦
・バーンスタイン医師式…アメリカの医師バーンスタイン先生はこの記事を書いている時点で85歳ですが、彼は12歳の時に1型糖尿病にかかり、標準治療をしていましたが糖尿病合併症が出てしまいました。
バーンスタイン先生が必死の思いで試行錯誤してたどり着いた食事法が「朝食は糖質6gまで・昼食と夕食は糖質12gまで(間食をする場合は血糖値に影響がないものを)」という食事でした。
江部先生式スーパー糖質制限に慣れてきた方なら、バーンスタイン先生式はそれほど苦にはならないと思います。糖尿病患者向けのメソッドなので、血糖値が気になる方も安心です。
肥満の方で体重が減らない場合「タンパク質を3食のうちどこかで少し減らすが、1日あたりのタンパク質摂取量が70g未満にはならないように」とのこと。これはアメリカ基準なので、日本人の場合はやや少なめに考えてもいいかもしれませんね。
あらゆる糖質を断つ!断糖系
・釜池式糖質ゼロ食…釜池豊秋医師の提唱する「糖質ゼロ食」は、普通の食事は原則として夕食のみ(それも糖質5g未満)、朝はブラックコーヒー、昼は食べたければチーズかゆで卵程度とかなり厳しいものです。
よっしーは釜池式を試みた時辛かったのと、他の人と比べて体質的に多くのタンパク質を必要とするタイプらしく、肉や魚が夕食だけではタンパク質が足りなくて血液検査の結果がおかしくなって主治医に注意されてやめました💦
しかし1日1食が苦ではなく、夕食のみでも筋肉の減少や血液検査で異常が見られない方には良い方法だと思います。朝がコーヒーだけなのは経済的ですしね。
下の漫画はよっしーのブログ「もう失敗しない!正しい糖質制限ダイエット」の記事に載せたものです。1日1食が合わない方もいるので気を付けましょう。
・金森式高脂質食ダイエット…金森重樹さんが提唱するかなり厳しい糖質制限(果物、根菜類はもちろん人工甘味料もNG)でタンパク質はその人にとって必要な量をとり、残りの必要エネルギーは牛脂などの良質の脂質から補います。
野菜は低糖質なものを彩り程度に摂取することになります。そうじゃないとすぐに糖質量オーバーになってしまうので💦
ハードな運動が必要なく、インスリンを余計に分泌させずにエネルギーを十分に補給する(摂取カロリーが少なすぎると痒い湿疹ができたり痩せにくくなったりしがち)ために良質の脂質を意識的に摂取する方法です。
血糖値をモニタリングするためにFreeStyleリブレを使用している方も多いです。よっしーもリブレを常時使用しています、糖尿病患者ですし…
ケトン体を増やしたいか増やしたくないかそれが問題だ
「糖質の過剰摂取」が体に与える悪影響は数えきれないほどあります。たとえば肥満・糖尿病・虫歯や歯周病・アレルギー疾患・メンタルの病気などなど。詳しくは清水泰行医師の本『「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因』をお読みください。
単にあなたが現在糖質を大量にとり過ぎているのが気になるのなら「ゆる系糖質制限」で良いと思います。
しかし「糖質の過剰摂取をやめる」だけではなく「ケトン体を増やす」ことによって何らかの効果を得たいのであれば「しっかり糖質制限」または「断糖」にチャレンジすべきでしょうね。
「ケトン体を増やしたいけど、あんまり辛いと続かない…」と言う方はまずスーパー糖質制限を試してみてください。
1食あたりの糖質を最初は20g近くにしてみて、辛くなければ15g→10gぐらいまで減らしてみましょう。よっしーはそれでケトーシス状態を維持できています。
糖質をどこまで制限すればケトーシス状態になるかは個人差もあるので、効果と続けやすさの点で自分にはどのやり方が最適なのかを考えてみてくださいね♪
自分の食事の好みもあるので、自分にとって継続しやすい方法を選ぶといいね。
そうね、持病の有無によってもチョイスは変わってくるわね。