難治性てんかんの治療と「ケトン体」ケトン食って?

てんかん発作
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「てんかん」という病気を知っていますか?

みなさんは「てんかん」という病気をご存知でしょうか。てんかんは脳の病気で、脳の神経細胞が過剰に興奮して異常な脳波(てんかん波)を発することによりてんかん発作を繰り返し起こす病気です。

脳のどの部位の神経細胞が過剰な活動をするのかによって発作の様子は異なり、突然意識を失って泡を吹いて倒れる人、寝入りばなに口がガクガク震えてよだれが出る人、フリーズしたように数十秒間意識が飛ぶ人などいろいろです。

よっしーの友人や知り合いにも何人か「てんかん」で薬を飲んでいる人がいます。抗てんかん薬の服用によって発作を完全に抑えることさえできれば、自動車の運転などもできて普通の人と同じように暮らせます。

ある友人は初めててんかん発作が起こってから薬を飲み、それ以来20年近く発作は1度も起きていないそうです。しかし残念ながら、何種類か薬を試してもなかなか発作が止まらない方がいらっしゃいます。

 

てんかん発作

 

上の図はてんかんfor Scool様のサイトからお借りしました。ひと口に「てんかん」と言っても発作の種類は実にいろいろなのですね。

薬を何種類か試してもなかなか発作が止まらないてんかんを「難治性のてんかん」と呼ぶそうです。場合によっては脳の手術なども検討されます。

しかし、抗てんかん薬でなかなかてんかん発作が止まらないお子さんにケトン食(厳格な糖質制限で脂質の割合をかなり多くした食事)を食べさせることによって血中ケトン体が増加し、発作が減少したり止まる例が多くあります。

これが「ケトン食療法」であり、難治性てんかんの治療のための食事療法として正式に認められております。

 

まじめん
まじめん

「てんかん」は猫にもある病気なんですよね。

よっしー
よっしー

そうよ、決して特別な病気じゃないわ。他人事とは思わないでね。

ケトン食ってどんな食事なの?

ケトン食は、体内でかなり大量にケトン体が作られることを目指した食事です。具体的に言うと「低糖質・低~中タンパク・高脂肪食」です。

糖質をただ減らすだけでは、てんかんの治療に必要なだけのケトン体が十分に作られにくい場合があります。そのためタンパク質を摂り過ぎないようにして脂質の割合をかなり増やします。

糖質をしっかり制限すればタンパク質をもっと多めに摂取しても構わない「修正アトキンス食」は肉を食べた育ち盛りのお子さんたちにも実践しやすいかもしれません。

てんかんの治療食としてのケトン食は血中ケトン体を一定以上に増やすことが肝要です。ケトン体には抗てんかん作用があるからです。

 



食事だけではなかなか血中ケトン体が増えないことも多く、体内でケトン体を増やす「MCTオイル」「ココナッツオイル」が使用されております。

抗てんかん薬は強い眠気などの副作用に悩まされがちな上、必ずしも十分に効かないこともあるそうです。そういうお子さんたちにとってケトン食は実に素晴らしいものだと言えるでしょう。

東京女子医科大学では日本でいち早く1968年にケトン食を治療食として導入し、2016年からはケトン食は日本でも「てんかんの治療食」として保険適用になりました。

ケトン食の副作用が心配…

ケトン食には、子供の身長が伸びにくくなる(成長障害)ことやある種のミネラルが不足しがちになるという心配があるそうです。

しかしビタミンやミネラルはサプリメントで簡単に補うことが出来ますし、ケトン食で成長障害が起きるのはタンパク質摂取量まで制限するためだと思われます。

よっしーの息子たちは4年ほど前から糖尿病予防とアレルギー体質改善のために糖質制限をしていますが、タンパク質は好きなだけ食べさせているため成長への悪影響はまったく見られません。ちょうど成長期だった長男など、中学生にして身長180cmでまだまだ成長は止まりません。

 

MCTオイル

 

てんかんの治療の場合、タンパク質を制限したほうがよりケトン体が出やすくなるそうですけど、血中ケトン体を増やすためにMCTオイルやココナッツオイルを上手に取り入れるなどしてなるべくタンパク質も摂取しながら血中ケトン体を増やす方針で管理栄養士や医師に相談してみてはいかがでしょうか。

お子さんの場合、年齢とともに自然に発作が起こらなくなって治療を完全に終了できる種類のてんかんもあるそうです。

てんかんは100人にひとりが発症する病気と言われ、決して他人事ではありません。ケトン食を取り入れ、上手に病気をコントロールしていけるといいですね。

 

まじめん
まじめん

手術は大変ですもんね…食事を変えることで発作を抑えることが出来ればいいですよね。

よっしー
よっしー

病気に負けずに子供たちが健やかに育ちますように♪